有責主義から破綻主義への流れ

2017-03-22

離婚届

有責配偶者からの離婚請求

離婚のときによく使われる言葉である有責配偶者というのは、例えば家庭があるにもかかわらず、独身の女性と不倫(浮気)をして子供を作ってしまい、それが原因となって夫婦関係を破綻させた夫というように、結婚生活が壊れる原因を作ってしまった責任のある配偶者のことを言います。

以前は裁判所は有責配偶者からの離婚請求を認めていませんでした。

夫婦のどちらかに離婚に至る責任が認められる場合には、責任の無い方が離婚請求をすることしか認めないという考え方になります。
一般的に考えれば当然とも言えますよね。
不倫したほうが離婚したいと言われても、不倫された方にしてみれば、たまったもんではありませんから。

このような制度は有責主義と呼ばれています。

ですが、有責配偶者からの離婚請求を認めなかったとしても、すでに不倫などによって破綻してしまった夫婦の関係の復元が事実上不可能である場合には、離婚請求を認めないことが問題の解決に繋がらない場合が少なくありません。

一方で、夫婦の関係がすでに壊れて修復が不可能であるなら、責任がどちらにあるとか関係なしに離婚は認めるべきであるという考え方があります。

この考え方は破綻主義と呼ばれています。

最高裁判所の判例でも、未成熟子(義務教育が終了するまでと言われていますので15歳までということになります)がいない夫婦に8年間の別居期間の事実があった場合に、有責配偶者からの離婚を認めています。

別居期間に関しては様々な議論があるようで一概に何年別居していれば大丈夫と断言することは難しく、5年でも十分だとも言われていますが、ただし、離婚によって相手が今後極めて過酷な状態に置かれるなどの特別な事情が必要になるようです。

法律や判例の流れは有責主義から破綻主義へと流れが少しづつではありますが、できていきつつあると言えるのではないでしょうか。

第三者への慰謝料請求について

もしかしたら、あなたは浮気相手には慰謝料を請求することはできないのではないかと思われているかもしれませんが、そんなことはありません。

第三者の行動が原因で夫婦関係が破綻状態になった場合には、浮気相手などの第三者にも慰謝料を請求することができます。

ただし、浮気した場合に浮気相手本人ではなく、浮気をした配偶者が浮気相手の慰謝料を肩代わりしたような場合には、配偶者と浮気相手は法律的には共同不法行為に基づいて連帯債務が発生しているとされており、それは連帯債務者である一方が肩代わりしたことで慰謝料という債務は消えることになるとされているようです。
ややこしい言葉の連発なので、例を出して説明しますと、あなたの夫が既婚女性が浮気をしたとして、浮気相手の既婚女性に慰謝料を請求した場合に既婚女性の夫が慰謝料の肩代わりをしてあなたに全額を支払った場合には慰謝料は既婚女性が支払ったものとして消えるということです。
「私は浮気をした女性に請求したのに納得いかない!」と思うかもしれませんが、夫婦は連帯保証人のような関係ですので夫婦の一方が支払うと消えてしまうことになるのです。

離婚の問題が裁判にまでもつれ込んだ場合に、家庭裁判所に離婚訴訟を起こしていれば、浮気相手への慰謝料請求も同じ裁判で一緒に審理をしてもらうことができます。

配偶者とは離婚をすることなく、再構築を選択したものの、浮気相手は許せないので慰謝料を請求したいと思った場合には、家庭裁判所ではなく、地方裁判所(金額が140万円以下の低額な場合には簡易裁判所になります)に訴えることになります。

DVと言えば一昔前は夫から妻に行われるものだという認識がみなさんも強かったかもしれませんが最近は変わってきているということを「妻のDVに苦しむ夫が増えている」でご覧になってみてください。

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