
ストーカー・DVの件数が過去最多に
ストーカーとDVの被害者がより言いやすい環境に
全国の警察が把握している2017年のストーカー被害者の数は20379件と5年連続で2万件を超えたことが公表されました。
また配偶者やパートナーからの暴力的な行為(DV)に関しては72455件と調査を開始してから初めて7万件を超えたことが分かりました。
このデータやニュースを見て暴力行為やストーカーが増えているのと短絡的に考えるのではなく、ストーカーやDV被害を言いやすい環境が整えられたことで、データ上で公表できる数が増えていると考えた方が自然ではないでしょうか。
そうでなければ、社会情勢が戦争などで激変しているわけでもないのに、一気に増加するというのは違和感がありますからね。
ストーカーとDVの被害者のデータを見てみましょう
ストーカーの被害者別のデータを見てみますと、被害者の3割強が20代の女性となっています。
ストーカーの被害者の9割は女性ですが、男性の被害者も1割はいますので、ストーカー被害は女性であるというステレオタイプの考え方は、もうやめた方がいいと言えるでしょう。
特に男性は被害を報告することを恥ずかしいとためらう傾向にありますので、実際の割合では男性の被害者の割合が1割よりも多い可能性の方が高いと思われます。
被害者と加害者の関係性では配偶者やパートナーである場合が半分以上で、過半数を占めています。
ただSNSでのつながりからストーカーやDVに及ぶ割合もデータとしては増加傾向にあるようです。
これに関しては単に法整備が現実に追いつくまでに時間がかかっただけで、元々かなりの数があったのだとは思われますので、今後もSNS関連での被害は実態が把握されればされるほど増加していくことになるものと思われます。
2017年の1月に改正ストーカー規制法が施行されて、新たに規制の対象となったSNSで相手へメッセージを連続で多数送信することや、相手の自宅周辺をうろつく行為で1年間で147件が摘発されています。
上記の改正で摘発対象となった部分を含めて、ストーカー規制法違反での摘発数は2017年は926件と過去最多の数となっているようです。
ネットへの依存度が高まっている影響かもしれませんが、相手に直接的に危害を加える傷害や暴行といった刑事事件になる犯罪の数は1699件と2016年よりも逆に減少していることが現在のストーカーの傾向を如実に表しているのではないでしょうか。
ストーカーの一方でDVの被害は14年連続して増加傾向のデータが出ています。
DV被害者の8割は女性でしたが、男性の被害も2割存在しており、その数は12440件と5年前の調査から3.8倍と大幅に増加しています。
データを発表した警察庁は「男性も被害者になり得るという認識が広がったためでは」と分析しているようです。
いずれにしても、SNSでの被害の実態を警察が把握することで、ストーカーやDVの被害者数は毎年増加していくのではないかと我々としては考えています。
こちらの内容も参考にしてみてください➡「妻のDVに苦しむ夫が増えている」