慰謝料

慰謝料の対象は配偶者だけ?

慰謝料の請求を相手の両親に対して行うことは可能か?

question:慰謝料を相手の両親に請求したい

離婚の話が出ており、話をしている段階で、夫が突然失踪してしまい行方がわからなくなってしまいました。

興信所などにお願いしてなんとか夫の居場所を突き止めることができ、離婚をすることに同意することまではこぎつけることができました。

ただ、夫が失踪期間中にお金を使いつくしていて、発見されたときはホームレスのような状態で生活をしていたために、お金が全くといっていいほど残っていない状況です。

慰謝料を請求するにも夫にはお金がありませんので、本来ならあきらめるしかないのかもしれませんが、夫の両親が資産家でかなりの資産を持っていますので、できることなら夫の慰謝料を肩代わりしてほしい気持ちです。

夫の両親に対して離婚の際の慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?

answer:慰謝料の性質からは不可能です

まずは慰謝料というものがどういう性質を持っているかということから考えてみましょう。

慰謝料というのは、当事者の間だけで発生(夫婦の離婚であれば夫と妻が当事者ということになります)するものですから、夫の両親が資産家でお金を持っているからといっても、慰謝料を請求することは不可能です。

日本の法律では、配偶者(夫または妻)の両親に慰謝料や離婚時の財産分与を請求することのできる権利は認められていません。

稀なケースとして配偶者の両親に慰謝料を請求できる場合として考えられるのは、結婚期間中に配偶者の両親からDVを受けていたなどのように、両親から直接的に本人が被害を受けたことを証明できるときになります。

ただし、配偶者の両親に自分で請求できないとしても、離婚協議の話し合いの際に両親が妻に悪いと考えて自主的に金銭を支払うことは禁止はされていませんので、話し合いの際に夫が失踪してお金を使いつくしたことで、離婚後の生活が成り立たないほどに金銭的に困窮する可能性があるなどと、真摯に状況を話してみることも1つの方法かもしれませんね。

多くの夫婦の場合は、離婚することを双方の両親にも報告するでしょうが、その時に「離婚をするが、相手が慰謝料を支払うだけの資産がないので、代わりに支払ってください!!」と言ったところで、離婚をするという段階であなたは相手の両親から見れば敵となっている可能性が高いですから、なかなか期待することはできないでしょう。

親は子供が何歳になってもかわいいものですから、所詮は他人である妻の要求をなぜ飲まなければいけないのかと思われる可能性が高いと思われます。

このような場合ではもう1度夫婦関係をやり直すためにも、夫が失踪期間の間にお金を使い切ってしまったために、結婚生活を再建しようにもどうにもならないので、なんとか援助してほしいということで、結婚生活の再建のための資金を援助してもらうといった方法であれば、可能性は少しは高くなるでしょう。

援助してもらって結婚生活を再建したいと思うか、慰謝料をもらえなくてもすぐにでも離婚したいと考えるのは、あなたの意思次第ということになりますが、離婚した場合でも離婚後の生活もありますから、とにかく離婚すればそれでいいと刹那的に考えることは後々後悔することにもなりますので、冷静に考えて行動するようにしてくださいね。

こちらの内容も参考にしてみてください「離婚で動くお金の行方」