裁判離婚と戸籍

戸籍とは何か?

戸籍とは何か

戸籍とは

戸籍とは人の身分関係をその時間的流れに沿って把握するための情報が記載されている公文書です。

戸籍は、原則として、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子どもごとに編成され、婚姻届けの提出があったときは、選択された氏を称する者が筆頭者である場合を除き、夫婦について新戸籍が編成されます。

戸籍の表示

◆本籍欄

本籍は行政区画、土地の名称及び土地の地番号又は住居表示に関する法律による街区符号のいずれかで表示されることになっています。

本籍は日本の統治権の及ぶ範囲内であれば、自由に選ぶことができます。

本籍は自由に変更することができます。

本籍は自分が住んでいる場所に限定されることなく、日本の住所が記載できる場所であれば、あなたの好きな場所のどこでも問題ありません。

実際に気に入った場所(皇居・大阪城のような歴史的に価値のある建造物のある場所)に本籍を置いている人も現実に存在しています。

離婚した場合には戸籍筆頭者の意味がが重要になってきます

◆戸籍筆頭者
戸籍筆頭者とは、その戸籍の索出を容易にするための見出しのようなものです。

本籍を書く下の欄に「氏名」とあり、ここに氏名が書かれている者が戸籍の筆頭者となっている人になります。

婚姻に際し、夫の氏を称するときは夫が、妻の氏を称するときは妻が戸籍の筆頭者になり、そのものが死亡しても、戸籍の筆頭者が自動的に変更されることはありません。

戸籍筆頭者とその他の者との間に実質的権利義務に差はありません。

住民票上の世帯主とは必ずしも一致するものではありいませんし、概念も全く異なるものであることを理解しておきましょう。

筆頭者の氏が変わると他方の配偶者の氏は自動的に変更されます。

「止むを得ない事由」がある場合に行われる「氏の変更」の申し立てや転籍届は筆頭者(配偶者がある場合は双方とも)に限られます。

多くの人々の意識のなかで戸籍筆頭者が家族の統率者として認識されております。

夫又な妻のどちらでも戸籍筆頭者になれるという建前にもかかわらず、実際には夫の氏を称する婚姻が圧倒的に多い(ほぼ97%といわれています。)ことから、戸籍筆頭者にはほとんど夫がなっています。

戸籍の記載事項

戸籍には本籍のほか、戸籍内の各人について、氏名、出生の年月日、戸籍に入った原因及び年月日、実父母の氏名及び実父母との続柄、養子であるときは養親の氏名及び養親との続柄、夫婦については夫又は妻である旨、他の戸籍から入った者はその戸籍の表示、その他法務省令で定める事項を記載するものとされております。

戸籍の果たす役割

戸籍は、日本国民全部をこれに登録するものであり、戸籍簿に基づき、日本国民であることが証明されるとともに、年齢の証明の役割を果たしています。

身分上極めて重要なことは、夫婦、親子の親族関係を記録していることです。

民法上の相続問題において戸籍は重要な機能をはたしているといえます。

「離婚」することは、人の身分関係の変動ですから、戸籍に記載されることになります。

除籍

除籍とは、結婚や死亡により、従前の戸籍から除かれることをいいます。

ある戸籍に記載される者が、新戸籍を編成され、又は他の戸籍に入る場合や、死亡したり、失踪宣告を受けて死亡とみなされた場合には、従前の戸籍からは除かれます。

一戸籍内の全員が除籍になった場合には、当該戸籍は戸籍簿から除かれますが、除籍簿として別に綴られ、保管されています。

ちなみに除籍簿の保管期間は80年間となっています。

戸籍事務のコンピュータ化

市町村によっては、戸籍の内容を知りたい場合、コンピュータを検索して把握する方法をとることになり、これまでの戸籍謄本、抄本ではなく、全部事項証明書ないし一部事項証明書となりますが、戸籍簿に記載されている内容自体は戸籍謄本の場合と同様です。

転籍

一部事項証明書であれば、過去に離婚した事実は掲載されていませんし、本籍を変える、いわゆる転籍をすることで、現在の戸籍謄本には離婚の事実は掲載されないととになります。

婚姻の相手について、結婚や離婚の事実があるのか、認知した子どもがいるのかを把握するためには、現在の戸籍謄本だけでなく、相応の時期からの戸籍謄本が必要となってきます。

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