
決めごとに口約束は危険
口約束での離婚の条件決定は危険
question:アルコール依存症の夫との離婚の話
アルコール依存症の夫と離婚することになりました。
夫は収入がそこまで高くないので、慰謝料や養育費には過剰な期待はできないと考えています。
慰謝料や養育費の代わりというわけではないのでしょうが、自宅に関しては持ち家なので、夫は自分が死んだ場合には自宅を私の財産にしてもいいとの約束は話し合いの中で決まっています。
約束は紙に一筆書いてもらっておけば、夫が亡くなった場合に問題が発生することはないでしょうか?
answer:公正証書にしておくことを忘れないようしましょう
夫がアルコール依存症であることから考えると、口約束でそれに一筆書いただけというのは、あまりにも心もとないですので、しっかりと離婚協議書を作成したうえで、公証役場にて公正証書にしておくほうが安全であると思われます。
たとえ約束をしたことに対して一筆を書いてもらっていたとしても、実際に効果があるかと言われれば甚だ疑問であると言えるでしょう。
夫が自宅を死んだあとは元妻に譲るという遺言は自分で遺言を書くわけですから、法律的には「自筆証書遺言」と呼ばれています。
自筆証書遺言の特徴は、遺言を書こうと思った人がいつでも好きな時に作成できる最も作成が簡単な方法の遺言書であるということです。
ただ、自分でいつでも好きな時に作成できるという利点がある一方で、自筆証書遺言に法的な効果を持たせるためには厳しい条件があることを覚えておかなければいけません。
自筆証書遺言は書いている全てが自筆でなければ遺言として認められることはありません。
代筆はもちろんですが、Wordなどのソフトを使用して署名だけは自筆といったものも自筆証書遺言としては認められません。
遺言を作成した日付の書き方や、内容が2枚以上になった場合の方法など、効力があるものとして認められるためには決められた書式をしっかりと守ることが必要になるのです。
また財産の特定に関しては、誰が見てもわかりやすく正確に記載しなければ、たくさんの土地や建物・有価証券を所有している場合には身内で相続争いが起こる可能性が高くなるでしょう。
自筆証書遺言にはさらに裁判所で検認というものを受けなければいけません。
内容を変更したりする場合にも自由にはできないなど、一見簡単に見えますが効果を発揮させるためには複雑な作業と手続きを経ないといけないことは覚えておくようにしましょう。
また自筆証書遺言であれば、本人が亡くなるまでしっかりと自分で保存をしておかなければいけません。
そのため、いざ遺言を実行しようと考えたときに絶対にできるかどうかも疑問が残るところです。
公正証書は圧倒的に安全
自筆証書遺言と比較すると、遺言を公正証書にしておくことで、公正証書遺言となり紛失や焼失のリスクは完全になくなります。
公正証書の欠点?としては、相続財産となる不動産などの価格によって公証人手数料が必要となることでしょうが、後々に多額の財産をめぐって揉める可能性を限りなく少なくすることができることを考えれば、決して高くはないと言えるはずです。
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