子供が健全に成長するための面会交流
親が離婚するという現実に直面しても、子供たちが健全に幸せに成長していくためには、両親からの愛情を認識するということが、非常に重要となります。
たとえ親が離婚していても、父母の愛情を感じて育った子供は、離婚の事実を受け入れ、乗り越えることができます。
両親からの愛情を感じることができなければ、子供自身が自分の存在に自信が持てず、自分を責めたり、中には自分を傷つけたり、精神的な疾患に侵されてしまう子供も存在しています。
子供の心身の健全な成長のために、面会交流が権利として認められています。
面会交流とは、離婚して親権を持たず、子供と離れて暮らすようになった方の親が、子供と会ったり、手紙や電話などで定期的に交流することです。
離婚して親権を持った親を「監護親」といい、親権を持っていない親のことを「非監護親」といいます。
子供と両親との関係は、子供が生まれた時から始まっています。
ゆえに、面会交流は、子供の成長のためには必要不可欠な権利となります。
監護親の中には、子供まだ小さいということを理由に、子供が大きくなって子供が会いたいと言ってから、面会交流をさせようと考えている人も少なくありません。
一見この考えは、正当なように思われます。
子供の気持ちが1番大切なので、話ができる年齢になってから本人の意思を確認し、面会させるようにするということです。
しかし、子供がどんなに小さくても面会交流は必要だというのが真実です。
仮に、親の記憶がないくらい小さな子供であっても、非監護親との面会は重要です。
子供が成長して、自分のもう片方の親はどこにいるのだろう、なぜ会いに来てくれないのだろう、自分は愛されていないのではないかと思い始め、非監護親に会いたいと思っても、その時面会交流させようとしても手遅れの場合もあるからです。
離婚後、会えない期間に非監護親の状況も変化するということを、監護親は認識しておきましょう。
非監護親に、新しい家族ができている可能性もありますし、いくら血のつながった子供といえども、まったく交流がなく何年間も会っていない子供に対して、深い愛情を持ち続けるということは、実際には非常に難しいことだからです。
子供と会えない期間に、面会交流をしたいという気持ちも希薄になる可能性もあります。以上のようなリスクを回避するためにも、子供の幸せな心の成長のためには、面会交流は非常に重要です。
親の離婚という事実を受け入れ、乗り越え、前向きに成長していくためには、父母双方からの愛情を感じることが不可欠となります。
面会交流の基本については「面会交流とはなにか?」をご覧ください。