面会交流で孫が祖父母に求めるもの
そもそも面会交流とは、離婚後に親権を持たなくなった親(非監護親)が、離れて暮らす子供に会う権利のことですので、祖父母との面会交流を主体に考えるのは制度からしても困難であると言えるでしょう。
子供の養育監護のひとつとして、面会交流が法律で定められているためだからです。
ただし、例外的に祖父母との面会交流を認めるケースも存在しています。
離婚によって父母のいずれかは、子供と離れることになります。
祖父母も同居していて、離婚によって孫と離れてしまうということも稀ではありません。
このようなケースで、祖父母が孫と面会したいと希望するケースが多いのが現状なのですが、前述しましたように、法律上では面会交流の対象は父と母のみです。
例外的に祖父母との面会交流が認められる具体例について、ご紹介します。
孫が生まれてから、長期間にわたって祖父母が監護をした実績があり、孫が親代わりの祖父母になついていたような場合には、宿泊を伴う面会が2か月に1度以上という内容で取り決められた前例があります。
つまり、子供との面会交流は監護の一環となりますので、原則、一般的な監護権者は両親が対象となるのですが、個々の家庭に事情によっては、祖父母が監護権者として認められる場合もあるとうことです。
離婚後に親権は母親にあり、元夫と子供が面会交流する際に、元夫が実家に行って祖父母と子供とを会わせることを、母親は拒否することはできません。
子供との面会中に、どこに行くとかどのような行動をとるのかについては、原則として元夫の自由だからです。
子供にとって、自分を可愛がってくれる祖父母の存在は大きいと考えられます。
祖父母との面会交流の時間は、子供の健全な成長のためにはプラスになります。
子供が祖父母に求めるものは、祖父母からの愛情だということを認識しておきましょう。
面会交流中に監護親の悪口をいったり、離婚についての話を聞かせたり、離婚後の監護親との生活について、あれこれ詮索したりしないようにしましょう。
孫は両親の離婚で深く傷つき、悩みを抱えている場合も少なくありません。
孫が自分から言い出すまでは、離婚の話や監護親との現在の生活などについて、祖父母から聞き出すような行為は避けましょう。
面会交流の場で孫に対して、悩みがあればいつでも話を聞いてあげる、いつでも味方であるといった主旨の声かけをしてあげましょう。
両親は離婚しても、その両方から愛されている、親はもちろんのこと、祖父母や周りの大人からも愛されている存在であるということを、孫に伝えてあげる面会交流の時間にしましょう。
面会交流の基本については面会交流とはなにか?をご覧ください。