モラルハラスメント

モラルハラスメントと慰謝料の関係性

モラルハラスメントは慰謝料の対象か??

question:モラハラの慰謝料

夫からは暴力は振るわれていませんが、結婚してから事あるごとに、お前は誰のおかげで生活ができているのか理解しているのか!!と罵倒されてきました。

最終的には私が夫の攻撃に耐えられなくなり離婚をすることを決意したのですが、暴力の振るわれていない場合でも夫に対して慰謝料の請求はできるものでしょうか?

できるとした場合に慰謝料の金額はどの程度になるものなのでしょうか?

モラルハラスメントも立派なDVです

answer:暴力だけがDVではありません

手を出さない場合でも、このようなケースではモラルハラスメントとして被害者と言えるでしょう。

そもそもモラルハラスメントというのは暴力を伴わない精神的なダメージを与える攻撃のことで、誹謗中傷、無視、罵倒、叱責などがモラルハラスメントの代表的なものになります。

夫であっても妻であっても変わりませんが、家庭の収入の大部分を稼いでくる配偶者(夫または妻)が相手が経済的に自立できていないことを弱みとして、「自分がいなければ生きていけないくせに!!」「自分がお前を養ってやっている」などの言葉で攻め立てることも、モラルハラスメントということになります。

国(内閣府)の調査結果ですが、15%以上の女性が、夫からモラルハラスメントと判断される言葉の暴力を受けた経験があるとのデータが出ています。

内閣府の調査では夫から妻へのモラルハラスメントはデータとして調査されていますが、妻から夫へのモラルハラスメントも実際にはありますので、忘れないようにしてください。

★モラルハラスメントは定義が困難

ただ実際に家庭で配偶者からモラルハラスメントを受けていたとしても、問題になるのは実際にモラルハラスメントを受けていたということを証拠のように残すことが困難だというのが頭の痛い事実として存在します。

モラルハラスメントを行っている相手が真摯に反省して認める可能性が無いとは言いませんが、極端に低いことは間違いないですし、協議で認めないなら調停から裁判にまで持ち込んででもと意気込んで臨んだところで、モラルハラスメントを認めることはなかなか厳しいでしょう。

モラルハラスメントの証拠として一番効果的なものは実際にモラルハラスメントを受けている状況の音声をボイスレコーダーなどで録音して保存しておくことですが、保存ができていない場合には事実としてモラルハラスメントを証明することは難しいと言えるでしょう。

身内にモラルハラスメントを行うような人はなぜか不思議なのですが外面が人当たりのよい方が男女問わず多く、調停など第三者を交えた場所では調停委員の方が批判できないような殊勝な態度で調停委員を味方にしてしまう場合がよくあるのです。

★モラルハラスメントを受けた場合に対処方法

モラルハラスメントを受けている場合には、慰謝料を要求しても証明が困難になりますので、慰謝料だけにこだわるのではなく、その他の方法で慰謝料に匹敵する金額を相手から引き出すような方法を考えていくようにしましょう。

離婚する場合には慰謝料がダメな場合でも夫婦で築き上げた財産は財産分与として分けなければいけませんので、財産分与を請求してみる方法もあるでしょう。

既に別居しているのであれば、婚姻費用を請求することも可能になってきます。

しかし上記のような対処療法的な方法を取らないで済むためにも、モラルハラスメントを受けているのかな?と自分で少しでも疑問に感じたのであれば、もしもの時に備えてボイスレコーダーでの録音に日記などに日付を記載して、今日はどのような暴言を浴びせられたなどを詳細に書いておく方が効果的と言えるでしょう。

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