離婚にまつわる法律

夫婦の離婚にまつわる法律

夫婦の離婚にまつわる法律

結婚する男女が婚姻届を提出すれば、それぞれの男女は親元の戸籍から除籍されて、新しい夫婦を単位とする戸籍が作られることになります。

結婚のことを入籍というのは、何も夫の戸籍に妻が入ることをいっているのではなく、お互いが現在の戸籍を離れて、新しい戸籍に入ることから入籍という言葉が使用されることになるのです。

そして夫婦には、法律に基づいたさまざまな権利と義務が与えられることになります。

憲法で定められている内容

婚姻は、両性の合意にのみ基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持されなければならない。

上記の内容は、日本国憲法の第24条1項に定められていますので、興味のある方は一度憲法を見てみてください。

民法で定められている内容

●夫婦は同居し、協力し合い、扶助しあう義務がある(民法752条)
単身赴任など、正当な理由のある別居は同居の義務違反とはなりません。

●婚姻費用の分担義務あり(民法7607条)
夫婦は同じ程度の経済レベルの生活を営む権利がある。

この条文が適用されて、最近では生活費を渡さないなどのような経済的なDVという概念も存在していると言えるでしょう。

●日常生活上の契約や支払いは夫婦の連帯責任となる(民法761条)
この中には日用品の購入や借金は含まれませんので注意しましょう。

●夫婦のどちらかが婚姻中に稼いだものは原則として共有財産となる(民法761条2項)
ただし、例外的に特有の財産になるものもありますので、離婚時にすべての財産が分与されると早とちりをしないように注意しましょう。

●貞操義務がある(民法770条1号より)
この条文があるので不倫(浮気)をおこなうと、不貞行為としてモラルだけでなく法律面からも違法行為となるわけですね。

●夫婦間の契約はいつでも取り消すことが可能である(民法754条)
ただし、夫婦仲が破綻した後の契約などは取り消すことができませんので、よく覚えておきましょう。

●重婚は禁止されています(民法732条)
普通は同じ人の婚姻届けを2通受け取ることはないでしょうが、もし受理された場合の二重生活は違法行為となります。

●女性の再婚禁止期間が設定されています(民法733条)
女性には離婚後6か月の再婚禁止期間が設定されていますが、離婚相手との再婚や離婚時に妊娠していた場合は除外されます。

民法が定める離婚とはどういうことか?

日本の民法は、結婚は当事者同士の契約であるという考えなので、特定の宗教の影響は全くありません。

したがって、お互いが合意すれば自由に結婚を解消することができると定めれています。

日本の離婚には大きく分けて、「協議離婚」、「調停離婚」、「裁判離婚」の3種類に分類されるでしょう。

夫婦が話し合って離婚することに合意すれば、届出によって離婚することができます。

これを協議離婚といいます。

離婚をする理由を問われる事はありません。

法律が定めている離婚理由が存在しなくても、協議離婚は可能です。

協議離婚は最も簡単で手間もかからず、費用負担のない方法ですが、日本以外の国では存在していない国もあります。

そもそも離婚自体を認めていない国も世界には存在しています。

協議離婚では、話し合いがうまくいかないとできません。

話し合いを重ねても全く離婚に向けて自体が進まないのであれば、まずは家庭裁判所で調停による話し合いを行います。

調停で離婚の合意ができれば、調停離婚が成立することになります。

調停でも離婚が成立しない場合には最後の手段として裁判をおこなうことになります。

裁判によって離婚が成立するのが、裁判離婚という事になります。

裁判離婚は一部の有名人の事例がワイドジョーで報道されているので、頻度が高いのかと思われるかもしれませんが、日本の場合は9割以上は協議離婚で成立していますので、裁判にもつれ込んでまで揉めるのは一般的にはレアケースといえるでしょう。

用語解説

※セックスレス

日本性科学会の定義によりますが、病気などの特別な事情がないのに1か月以上の性交渉がないカップルのことを言うとされています。

※日本の法律の法定離婚事由

①不貞行為(浮気)
②悪意の遺棄(故意に配偶者の義務を尽くさないこと)
③3年以上の生死不明
④回復の見込みのない強度の精神病
⑤その他、婚姻を継続しがたい重大な事由があること

※同居を求める調停

夫婦のどちらかが正当な理由なく同居しない場合、家庭裁判所に「同居を求める調停」または「同居を命ずる審理」を申し立てることができる。

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