財産差し押さえ

財産の差し押さえは調停中も可能か?

相手の財産を差し押さえることは調停中でもできるもの?

question:夫の財産隠しを阻止する方法はあるの?

離婚調停を行っていますが、慰謝料について折り合いがなかなかつかないで困っています。

このところの夫の様子を見ていると普段とは異なる行動がいくつか気になってしまいます。

自分の預貯金などを他の口座に移動するなどして、慰謝料の額を減らそうと考えているような動きが見受けられるのです。

なんとかこのような夫の財産隠しともいえる行動をやめさせることはできないものでしょうか。

answer:素早く動くようにしましょう

男女に限らないですが、別れる以上は慰謝料などは払うのは嫌だと思う人はいるものですから、これに関してはそういうものだと割り切ることも大切でしょう。

ですが、怪しい行動が見受けられる場合には法的手段は必ず行うようにしてください。

夫が財産を処分してしまう前に行うことができるのは、財産保全の措置になるでしょう。

財産保全処置の手続きは調停を行っている裁判所で行うことが可能ですが、差し押さえる物(離れた場所にある不動産など)がある家庭裁判所でも手続きを行うことは可能になっています。

仮差押えを申請して、裁判所が財産保全の必要性を認めたのであれば、裁判所が保全命令を出すことになります。

夫名義の不動産に仮差押えがかけられるとなると、夫が勝手に処分(売却したり抵当権を設定して不動産担保でお金を借りるなど)を行うことは不可能になります。

熟年離婚などで夫の定年が近いのであれば、今後得ることのできる退職金も4分の1までは仮差押えを行うことが可能です。

差し押さえを行う場合に注意が必要な点は、差し押さえの対象がはっきりしていないと仮差押えをすることができないということでしょうか。

金融機関の預貯金であれば、〇〇銀行の〇〇支店の口座であるという情報が明確である必要があるということなのです。

また裁判所に保全命令をお願いする場合には、保証金というものが必要となります。

差し押さえを要求するほうが、差し押さえ金額の1割~2割を法務局に支払う必要があります。

ちなみに保証金は調停で和解や裁判で勝てば戻ってきますので払いっぱなしというわけではありません。

保全のお願いを裁判所にした場合に裁判所に保全の必要性を認めてもらえない場合には、調停に提出する陳述書に夫に不審な動きがあり財産隠しの可能性が高いことを詳細に明記するようにしましょう。

このような手続きは、あなた個人でも行うことは可能ですが、複雑であり時間も限られていますから、専門家に依頼したほうが一時的なお金は必要ですが、確実であると言えるでしょう。

ご自分の予算と相談しながら、どうするかは考えてみてください。

こちらの内容も参考にしてみてください「退職金を差し押さえることはできる?」