
精神病と離婚原因
精神病と離婚原因
配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないときは、離婚の請求が認められることになります。
ここでいう精神病とは、統合失調症、そううつ病、偏執病、初老期精神病などの高度の精神病のことだと覚えておいてください。
健康状態と高度精神病の中間にあるアルコール中毒、麻薬中毒、ヒステリー、精神衰弱症(ノイローゼ)などは離婚原因となる強度の精神病には該当しません。
強度の精神病とは、婚姻の本質である夫婦の協力義務が十分に果たし得ない程度に精神障害がある場合を言います。
事理弁識能力を欠き、成年後見開始の審判を受けているような場合のみを意味するものではありません。
精神病が回復の見込みがない(不治)ことが要求されます。
夫の精神病の程度が一時より軽快し近く退院できるとしても、通常の社会人として復帰し、一家の主婦としての任務に耐えられる程度にまで回復できる見込みがない場合は離婚がみとめられます。
精神病で入院歴があるだけでは足りず、度々入院していてもその都度日常生活に支障がない程度に回復している場合は、不治の精神病にはあたりません。
精神病者の実家に療養費の負担をするだけの資力があり、離婚請求者が過去において配偶者に医療費を支払い、将来の療養費についても事故の資力で可能な限り支払う意思を表明している場合は離婚は認められます。
配偶者の一方が回復の見込みのない強度の精神病にかかった場合、その配偶者と離婚するには、当該配偶者に離婚するについての意思能力が必要とされます。
しかし、通常は、回復の見込みのない強度の精神病にかかっているような場合には離婚についての意思能力がない場合が多いと思われます。
この場合は、離婚を求める配偶者は、精神病にかかっている他方配偶者について、家庭裁判所に後見開始の申し立てをして、後見開始の審判を受けます。
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