
渉外離婚と慰謝料・財産分与
渉外離婚と慰謝料・財産分与
日本人と外国人の夫婦が離婚した場合、離婚そのものによる慰謝料および財産分与については日本法に従って決められますが、慰謝料はその原因となる事実の発生した国または地域の法律によって決められることになります。
慰謝料請求について
離婚に伴う慰謝料については、①離婚そのものによる慰謝料と、②離婚に至るまでの暴力や不貞行為などの個々の不法行為による慰謝料の2つが存在しています。
(1)離婚そのものによる慰謝料について
夫婦の一方が日本人で日本に住んでいる場合は、日本の法律が適用されます。
(2)個々の不法行為による慰謝料について
個々の不法行為の発生した国または地域の法律が適用されることになります。
(3)慰謝料の金額について
外国人との離婚の慰謝料については、日本とその外国人の出身国との物価の違いが慰謝料の金額に影響してきます。
慰謝料請求の事例
ここでは実際に日本人と外国人離婚問題で慰謝料が発生したケースの事例を紹介しておきますので参考になさってください。
☆事例
日本人男性と結婚していた中国人女性が、離婚後中国に帰国して生活している事案について、慰謝料が日本における婚姻生活の破綻に基づいて日本のおいて請求されていることを重視して、第一審が20万円の支払いを命じた判決を変更して100万円の慰謝料の支払いを命じた判決があります。
財産分与請求について
財産分与請求については、離婚の効果としてなされるものであること等を理由として、日本法が適用されることになります。
離婚の際に財産分与請求を認めない国の法律が準拠法となった場合に、有責配偶者が支払うべきものとされる慰謝料の額が日本の離婚給付の社会通念に照らして著しく低額である場合には公序良俗に反するもので許されないとした判例があります。
おすすめ関連記事
-外国人と離婚する場合には-
「外国人との離婚手続き」
-離婚の時の慰謝料に関して考えるなら-
「離婚の慰謝料について」