
夫が行方不明で所在が分からない
配偶者が行方不明な場合の離婚はどうすればいいの?
question:行方不明の夫と離婚したい
離婚をすることは決めたのですが、夫は十数年前に浮気相手と駆け落ちをしてしまい自宅には以降は一度も帰ってきていません。
当然ですが今現在の連絡先も全くわからない状態です。
このような状態で夫と離婚するためにはどのような手続きをとればいいのでしょうか。
answer:裁判所に行くことで解決することは可能です
離婚をする場合に一番早く解決ができるのは当事者の話し合いですべてがきまる協議離婚ですが、夫と妻の両方の合意がなければ離婚届を出すことはできないので、今回のような夫が行方不明で所在が分からない場合には協議離婚はできないということになります。
協議離婚でまとまらない場合には一般的には日本は調停前置主義を採用していますので、離婚調停を申し立てなければいけないことになっています。
しかし調停前置主義にも例外があり、「被告(この場合だと夫です)が行方不明や生死不明であること」「被告(夫)が心神喪失などの状態であること」「裁判所が調停では協議できないと判断した場合」に限定されていますが、調停を行うことなく離婚訴訟を起こすことが認められているのです。
今回は夫が浮気相手と駆け落ちして行方不明ですから、調停を行うことなく裁判を起こすことが可能です。
家庭裁判所は被告(夫)に訴状の副本と裁判期日の呼び出し状を送ることができませんから、裁判所内にある掲示板に所定の書類を掲示することで、被告に書類を送付したことになる公示送達という方法を使います。
まずは公示送達の申立書を家庭裁判所に提出します。
裁判所の掲示板に書類が公開されてから、2週間を経過することで、被告(夫)に書類が到着したものとみなされて裁判を開始することが可能になります。
裁判はどうなるのか??
裁判は通常通り進められますが、元々行方不明なのですから、夫が裁判所に出頭してくることはありません。
このように相手が出席しない場合は欠席判決と言って、一般的には原告(この場合には妻のことです)が全面勝訴の判決が出されることになります。
ただ離婚訴訟の場合は、原告(妻)の言い分が本当かどうかの証拠を調べてから判決を出すことになります。
気を付けておく点としては、通常の裁判では裁判に勝てば裁判費用は負けた方が支払うことになるのですが、今回のケースのように相手(夫)が行方不明の場合には請求したくでも請求ができませんから、負担は自分自身が行うという事だけは忘れないようにしましょう。
こちらの内容も参考にしてみてください➡「夫が多額の借金で蒸発し行方知れず」