自宅を贈与された時の税金は?
question:
離婚することになりましたが気になるのは自宅のことについてです。
自宅の名義は夫のものになっていますが、住宅ローンに関してはすでに完済しており心配はありません。
離婚をすることは決まったのですが、結婚してから長い間この街で暮らしてきましたので、できるならば離れたくはありません。
夫から財産分与として自宅を譲ってもらえるのであれば今後の生活のためにも一番うれしいのですが、税金の面が非常にきになります。
夫婦であっても財産を譲ったりした場合には贈与税を支払う必要はあるのでしょうか?
また支払うとして、金額はどの程度になるのでしょうか?
贈与税はかかるが優遇制度もあります
answer:
実際に住んでいる不動産に関しては、贈与税の配偶者控除制度というものが設けられています。
控除ということは、贈与税については、夫婦の間での贈与であれば課税される基準価格から2000万円が配偶者控除として適用されて財産価値からはマイナスされるということです。
課税価格というのは相続税の評価額と同じと考えて問題ありません。
不動産の評価の仕方は、建物は固定資産税評価額(新築の物件であれば建築代金の5割から7割程度が目安です)、土地は路線価(公示価格の8割程度が目安です)によって計算されます。
固定資産税評価額は市町村の資産税課で、路線価は税務署にあります路線価図で判断することができます。
贈与税の配偶者控除を受けることができる条件
①贈与の時点で結婚している期間が20年以上であること
②贈与される不動産が住むためのものであることか、住居目的で贈与されたお金であること
③翌年の3月15日時点で贈与された不動産に住んでおり、それ以降も住み続ける予定があること
の3つになります。
同じ配偶者(夫または妻)からの贈与は1回のみしか認められていませんので、何度も同じ配偶者から贈与されても毎回贈与税の配偶者控除が適用されるわけではありません。
贈与税を申告する場合には、贈与された日から10日以上すぎてから発行された戸籍謄本と戸籍の附票(結婚の期間を判断するのに使用されます)、住民票、登記簿謄本、相続税評価額のわかる書類を準備して申告にいきましょう。
注意をしなければいけないのは、贈与税の配偶者控除制度を受けたことにより税金がかからなくなった場合であっても、翌年の3月15日までには税務署に贈与税の申告をしなければいけないことです。
ですから、税金を払う払わないに関わらず贈与された場合には翌年には税務署に行かなければいけないと覚えておいてください。
贈与税は配偶者控除制度以外にも通常の控除として年間110万円までは基礎控除が認められていますので、併せて利用しますと2000万円+110万円=2110万円までは贈与税が控除されることになります。
ただし、贈与税は控除されますが、不動産取得税と登録免許税の2つの税金は免除されませんので気を付けてください。
離婚時に贈与税が発生する事例としては「離婚時に家を譲られるが贈与税が心配」もご覧になってみてください。