離婚にあたり、家を譲ると言われましたが贈与税はかかりますか?
question:
婚姻中は、夫と私、そして2人の子供たちと義父の5人で義父名義の家に住んでいました。
ところが夫が浮気をして愛人を作ってしまい、1年ほど前に家を出て行ってしまいました。
義父は息子である夫の不貞行為を悲観して私と子供に申し訳ないことをしたと謝っていました。
私は浮気をして家を出て行った夫との離婚を決意して話し合いをしていましたが、先日ようやく話し合いが終了し協議離婚が成立することになりました。
義父は私達にも優しくしてくれましたし、離婚には義父には全く責任がない分、よけいに心が痛むのですが、夫が愛人の元に帰って私たち家族の家には帰ってこない以上はいつまでも婚姻関係を続けるわけにはいきませんでした。
義父に離婚が成立したことを報告したところ、息子が迷惑をかけたのでということで義父の名義である土地と建物を私に譲ると言いました。
金銭的な余裕のない現在では離婚後に住む場所の心配をしなくてもいいのは助かるのですが、離婚の場合であっても通常の場合と同じように贈与税はかかってくるのでしょうか?
離婚の場合でも贈与税はかかります。高額なものなのでよく考えて行動しましょう。
answer:
妻には夫の親の財産を相続する権利はありません。
これは離婚をしていようがいまいが同じことで変わることはありません。
夫の親の財産を相続する権利があるのはあくまでも血縁関係のある夫であって妻には関係ないということに注意をしておきましょう。
ですから義父名義の不動産を貰った場合には贈与ということになります。
一般的に贈与税の税率は他の税金と比較しても高いので要注意ということになるでしょう。
高い贈与税を避ける方法としては、離婚する現在に贈与で不動産をもらうのではなく、義父が亡くなった場合に不動産を譲り受けるという死因贈与契約を結んでおけば、相続税の課税となりますので、税率も低く抑えることができますし、場合によりますので一概には断言できませんが、税金が免除されるようなこともあります。
死因贈与契約を結んでおけばすべての場合で税金が免除されるわけではないので、注意はしてください。
ただ、この義父の贈与の意思を義父の財産の相続する権利がある夫の兄弟などがいた場合に、義父がその事実を兄弟に知らせているかどうかで今後に揉め事が発生することもあります。
義父の意思を表明しておくためには、義父に遺言書を書いてもらって、その中に贈与するという文言を入れてもらっておくのが安全な方法ともいえるでしょう。
遺言には自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類がありますが、義父の意思が数年後に変化して後から書き換えたりすることはできますので、一度遺言を書いてもらったからといって絶対に確実とは言えません。
財産の処分の方法はあくまでも財産を所有している人の権利であって周囲が相手の財産の処分方法に関してどうこう言える問題ではありませんからね。
贈与税が払えない又は高すぎて譲ってもらっても負担になるようであれば、節税のためにも専門家に相談することをお勧めします。
今後の生活基盤の不動産ですから判断はくれぐれも慎重に行いましょう。
協議離婚を行う場合には「離婚協議書は専門家に依頼しよう」もご覧になってみてください。